西伊豆 千貫門

当初は南アルプスに登りに行く予定だったが、遠山の咳による体調不良と大沼君の凍傷後初の雪山登山を考え、南アルプスはエスケープも簡単では無い為に辞め、八ヶ岳ならエスケープも比較的楽な為、縦走しながら何箇所も登りながら降りることに予定を変更していた。しかし、自分自身が年末まで3週間以上、咳が続いてしまい体力も低下していた為、大沼君に理由を話しフリークライミングに変更をしてもらっていた。

城ヶ崎は2人とも好きな為29〜2日まで城ヶ崎で登り遠山、大沼共にある程度の成果を残す事は出来ていた。29、30日と城ヶ崎に山野井さんと行っていた際に前から自分が行きたいと思っていた烏帽子岩に行こうと思っていると話した所、今は登攀禁止だと聞き、ショックを受けていた所、近くに千貫門という面白そうなのがあるよ。と教えて頂いた。調べたら山登魂の記録が出てきて、自分達も簡単なマルチピッチ気分で行ったら結構痛い目を見ました。幸い、烏帽子岩を登るつもりで本チャン装備はしっかりと持っていって良かったです。

山登魂のルートは岩の大崩壊で消滅しており、地球クラブルートは取り付きがスラブ状でアンカーをナチュプロでは作り難いため却下。トポやネットの記録では5.6のマルチみたいな感じの記録だが、プロテクションが効きにくく、ボロいのを 考慮するとそんなに甘くはないと考えた方が良いと感じました。

今回登ったルートも2ピッチ目のランニングビレイは、岩ごと動くボロい所が多く堕ちたらタダでは済まされない感じでした。山頂はガレ岩の山頂だったが最終日は山っぽい登りを楽しむ事ができ大満足でした。

【1ピッチ目】 適当にトラバース10〜15m。3級位。手も足も崩れる感じの3級。1番ボロいピッチ。大きいホールドは基本掴んではダメ。
【2ピッチ目】 ほぼ直登。30〜35m。上に登るにつれ岩が固くなる。プロテクションはカムとナッツ。途中でハーケンを1本打った。4級〜5級に感じた。
【3ピッチ目】 草付きと岩のルートを直登。全ピッチ共通だが落石に注意。一箇所少し悪いスラブが出てきた。

【使用・持参ギア】
ハーケン6枚。カム0.1〜3番、ボールナッツの小さいサイズ2本。ハンマー。ナッツ。60、120スリングなど。 ランニングビレイの残置は無く、取り付きも手でちぎれるリングボルト以外はない為、支点構築がハーケン、カム、ナッツ問わず出来ないと危険だと思いました。(2ピッチ目の取り付きのアンカーは2本のナッツで取りました。)

数年後にはもっと崩壊を繰り返すのかなぁと考え、登っておいて良かったと思いました。


笠ヶ岳二ノ沢あけぼの壁 日登30ルート〜NEW DAWN〜稜線縦走〜錫杖岳

9月14日〜16日の3連休で北アルプスの笠ヶ岳の先輩達の日登30ルートへ登りに行ってきました。昔、笠ヶ岳に登山に行った際に新穂高から見える壁は何だろう?と思っていた記憶があった。

始めて日本登攀クラブの会員になり数年経ち、調べていると笠ヶ岳の壁には 日本登攀クラブ(通称、日登30)ルートがある事を知った。 行ってみたい!特に調べもせず大沼君に話すと 良いですね。となった。 行く事を決めて調べたが、せっかくなら錫杖岳まで行き錫杖岳でクライミングもしたらより最高なのではと考えた。まだ、猛烈な藪漕ぎ地獄になるとは知らなかったが・・・。

13日は仕事が遅くなり集合は22時。深山荘の無料駐車場を目指したが何と満車。係員さんより鍋平まで行ってくれとなり暗雲立ち込めるが、下山時にはここに停められた事は結果オーライとなった。

14日の3時に就寝、4時には起きられず5時半に出発。 元々、稜線には抜けられないのは覚悟をしていたので問題はないと思い出発した。壁までのアプローチも長く暑さと全装備を背負っていたのもありスピードも出なかったが無事10時半に到着。

日登ルートの1ピッチ目はワイドチックな動きを求められ、カムでランニングを取りながら登る。体感は5.8位か?ただランニングは取りにくかった。 その後も10b、4級、10cのクライミングをこなし、最後は登れそうなビショ濡れの悪いルンゼ(体感10d)を登り、壁を登り終えた。難しいピッチのリードのザックは荷揚げとした。ビレイ点以外の残置のランニングなどは殆ど無かったが、そこが情報の少ない山の良い所でもあると思う。

そこから3時間半の藪漕ぎをこなして平坦な場所で幕営。 暗い上にガスが凄く視界もないので幕営は正解だったと思った。水がかなり少ない為、夜と朝は食事を取れなかったが、気温は高く寒くなかったのは嬉しかった。

15日は前の日の寝不足と疲労もあるために明るくなった6時に錫杖岳に向け出発。快晴の幕営地から更に1時間半以上の藪漕ぎをしてようやく登山道に出る事が出来た。 登山道から水場を求めて降り、クリヤ谷の水場に着いて直ぐに1ℓを飲み干しクリヤの岩小屋に向けて出発。岩小屋には11時近くに到着したが空腹なので アルファ米とお茶を1杯飲みテントを設営して錫杖岳に11時半に出発した。 予報では月曜日は登れない可能性があるとの事だったので、今日だけでも登れたらと思い、遅くなるのは覚悟し最悪は懸垂地点まで明るいうちに抜ければ懸垂下降は暗くても問題ないだろうと思っていたが、3ルンゼの下降は浮石が多く非常に緊張感があった。15日はバードランド〜じーやの大冒険を登り、3ルンゼを下降した。明日は、雨でもこれで満足だなぁなんて話して就寝した。

16日、朝起きてみると何と雲もない快晴。この天気を見るとウズウズするのは仕方がない事だろう。今日は錫杖沢を詰め錫思杖戯を登ろうと話し出発をした。疲労もあるが、取付きに到着。 濡れていたがまぁ何とかなるだろうとスタート。どのピッチも緊張感のある凄く良いルートを登り、核心の11aのピッチをスタートして途中でテンションが入ってしまった。直後に大沼君が、天気が崩れそうだと教えてくれ下を見ると嫌な予感がした為、下降を開始した。 錫杖沢出合に着く頃にはポツリポツリときて降りて正解だったなと思いながら駐車場へ。いつも通り帰りの中央道に参りながら帰宅した。 藪漕ぎはかなりハードだったが、終わって帰宅をすれば行って良かったと思うのは不思議です。

【使用ギア】 キャメロット0.3〜3番まで2セット、4.5番1個ずつ、ナッツなど。