瑞牆山でのマルチピッチクライミング

最近、瑞牆山(と小川山)で何本かマルチピッチクライミングを行なったので、備忘録として・・・
9月17日 晴のち曇り
十一面岩奥壁、恋するモーメント 4P 5.10b(PD)
佐藤裕介さんがロクスノ95号で紹介したルート(初登は横山勝丘、千裕夫妻)
少々ふざけたネーミングだが、内容は良かった。
1P Joyful Momentの1P目の途中から直上するクラックを登る。
   パッと見にはプロテクションが取れなそうに見えるが、登ってみれば
   スモールカムが何ヶ所か決まる。クラックも易しい。
   クラックが終わり、スラブを右上したところで切りたくなるが、
   1P目の終了点はその上の少々汚いクラックを登った回廊のような
   ところが正解(岩にロープが巻いてある)
2P 短めのワイドクラックを3本続けて登るピッチ
   最初のワイドクラックは出だしが少々登りづらい。
   2本目は右側のフェースも使え易しい。
   3本目は一番手応え有り・・・
3P なかなかトリッキーなスラブをプロテクションに悩みながら
   トラバースから直上する。
   スモールカムが有効
4P Joyful~の最終ピッチと同じ
使用カム:キャメロット#0.2~#0.75・#2~#4 各2 

9月22日 曇り時々小雨
小川山 屋根岩2峰セレクション 6P 5.9
天気予報はかなり微妙だったが行ってみた。
2ピッチ目のスラブの終了点で少し降られたが、何とか持ってくれた。
5ピッチ目のトラバースは濡れていて嫌らしかった・・・
吉村君、お疲れ様でした。

9月30日 晴のち時々曇り
十一面岩左岩壁 山河微笑~奥壁 Joyful Moment 継続
山河微笑  5P  5.10a
1P 今日は乾いていて快適!
2P 大チムニー、左カンテへ出ず直上
3P 木登りからハンドクラック、ワイド気味のところが
   ヘルメットが邪魔・・・
   ここまで吉村君リード、頑張りました!
5P 今回もRP出来ず・・・このピッチ本当に苦手・・・
   フォローの二人はノーテンション(教えて欲しい)
カム:キャメロット #0.75~#4 各2+#0.5・#5 各1

Joyful Moment  4P 5.9
2ピッチ目が少々脆い事以外は快適
カム:キャメロット #0.5~#4 各2

10月1日 快晴
十一面岩左岩壁~正面壁 黄金の風 10P 5.10b
こちらも佐藤裕介さんがロクスノ95号で紹介したルート
ベルジュエールよりもはるかに時間がかかり、内容も濃い!と紹介されており、少々緊張しながら取付いた。
1P 山河微笑と同じ
2P 秋一番と同じ
   下り気味のトラバースを終え、直上が始まる所でやっと1本目のボルト    
   が有る。核心は2本目のクリップを何とか伸び上がってクリップした
   後の部分。25メートルでプロテクションは、この2本のみ・・・
3P このピッチも秋一番と同じ
   5.9だが、なんとも出だしが難しく、途中もプロテクションがあまり
   取れないオフィズス・・・
4P やや右へルンゼの踏跡をたどり、途中から秋一番の踏跡を右へ分け
   左の踏跡を頭上の大チムニーを目指して上がる。
   途中にワンポイントの5.8有り。
5P 大スクイズチムニー
   胸が厚いと途中で引っ掛かる、そう言うサイズ・・・
   大きいサイズのカムは使えません。
   プロテクションは奥のクラックへ#0.75~#2が使える。
   私は右差しを勧めます。
6P 正面ではなく右側の、これもワイドクラックを登る。
   プロテクションは出だしに1個取れるが、後はノープロ・・・
   クラックを抜けたら少しクライムダウンして、モアイの頭を
   ベルジュエールの1本左のクラック(凹角)を目指して回り込む。
7P 見た目より登りずらく初めは左上するハンドクラックだが、
   出口はまたもワイド登り・・・
8P 綺麗なクレセントクラック!
   これがクライミングだよ!と言いたくなる、とても気持ちの良いピッチ
   あっという間に終わってしまうのが残念。
9P 大きな岩をいくつか越えて、十一面岩の頂上直下へ。
10P 何となく右のクラックは脆そうだったので、ベルジュエールの最終ピッ
   チのクラックを登った。
   昨日と今日の疲れが出て、やや被り気味の5.8はきつかった。
   とても気持ちの良い十一面岩のてっぺんで終了!

カム:キャメロット #0.75~#3 各2・#0.3~#0.5・#4 各1

山河微笑2P目の大チムニー

 

山河微笑3P目

 

山河微笑5P目 苦戦するワタクシ

 

奥壁頂上

 

とても気持ちの良いクレセントクラック

 

末端壁基部から見た影瑞牆と八ヶ岳

 

 


鷹見岩

9月15日、奥秩父の瑞牆山と金峰山の間にある「鷹見岩」のマルチピッチ、南山稜を登ってきた。
以前、日登のメンバーが行っていたが、その時には特に興味を持つことは無かった。
今回、GWに西上州へ行ったメンバーの一人に誘われ、ちょっとググってみると、あら結構面白そう! となり、他2名も同行、計4名(2パーティ)での登攀となった。

瑞牆山荘から富士見平小屋経由で金峰山へ向かい、鷹見岩への分岐から少し歩くと、ネットで見たとおりのテープがあった。
しかし、そこから右へ降りて行くと踏み跡はあるがテープが見えない。
しっかりとした踏み跡は右へ右へと続いている。5~10分くらい踏み跡をたどるが、これでは左に見える鷹見岩からどんどん遠ざかってしまう。
踏み跡に見切りをつけ、登り返すとボルダーが数個ある場所でテープを発見、そこに不要な荷物をデポして、あとはテープや踏み跡、フィックスロープに導かれ鷹見岩の裾に沿うように30分くらいで、フィックスロープのある取付きの洞窟に着いた。

自分は奇数ピッチ、パートナーは偶数ピッチをリード。
6ピッチ中4ピッチが5.10台で、なかなか充実。
特に2ピッチ目の長いハンドサイズのクラックからスラブのピッチと、5~6ピッチ目のフェースからスラブは、そこそこの難しさが続き楽しめる。
終了点から鷹見岩の頂上までは岩稜や、部分的にロープが欲しい箇所もあり、1時間ほどかかった。
頂上からは、金峰山側には大日岩等の岩峰がいくつも見られ、反対側には飯盛山や瑞牆山の岩峰が、いつもと違う角度で見え、とても素晴らしい展望だった。

参考文献:ROCK&SNOW #70

1ピッチ目スタート (5.10+)
5ピッチ目終了点直下 (5.10)
5ピッチ目、フォロー (5.10)
鷹見岩頂上にて