中央アルプス 大田切本谷

日時 2020年9月8日~9日
メンバー 山野井・古畑・植田

「ちょっと高い山に行きたいんだけど、どこかないかな」と奥多摩から離れて山が遠くなった山野井さん。それではと、さほど難しくも無さそうだと聞いていて、行ったことがなかった中央アルプス大田切川本谷へ沢登りと釣りにボルダーという欲張り計画。

8日朝7:15分菅の台バス停を出発し、檜尾橋バス停で下車、トンネル、吊り橋を過ぎると取水口、それを超えてすぐ入渓。
入渓後すぐに出てくる滝は、記録によるとFixロープがあるとか。
近づいて見てみるもロープらしきものは見えず、釜が深く、そこからではクラックまで手が届きそうにない。もちろんカムなど持ってきてもいない。それどころか全員ハーネス無し。ロープ無し。メンバー全員併せて手持ち装備は、10mのロープとスリング4本、カラビナ4~5枚だけ。右岸から巻道を探すも10mのロープではあまりに頼りない。いきなり敗退かな…と古畑、植田が思い始めたころ…「そこからいけるかも」と山野井さん。しかし装備が頼りない。10mのロープ片方を山野井さんの腹に巻き、末端を植田の腹に巻くと残りは5~6mだけ。真ん中の古畑は腹にスリングを巻いてロープにカラビナを通すだけ。右岸の泥壁を登りだすが、やはりロープが短い。あと少し登れたら太めの木があるのに、そのあと少しが届かない。ビレイなんてできないのだから落ちたら、どこかにうまく引っかかって止まることを祈るだけ。ひとつの滝を超えるのに約2時間…この装備でこのラインで行ける山野井さん…流石。「様々な事態に備えしっかりとロープ、ハーネスなどを持っていけ」そう言われてしまいそうですが…それもそうかもしれないけれど、僕はそれだけだとは思いません。その限られた装備で、様々な方法を検討し、行動してみる。そんなことができることもまた山登りの楽しさなのではないかと。仮に装備不足で敗退になっていたとしても。
そんなこんなで、出だしで予想外に楽しめたあと、しばらく綺麗な沢を登っていき、途中泳げば突破できそうな小滝も、全身ずぶ濡れを避けて巻き。この巻きも古い針金に助けられる。その後、二俣あたりで雨も強くなり幕営し雨が弱まったところで釣り。3人がかりで釣りをするも一向にあたりがない。ずっと手前で魚止の滝だったのかと諦める。釣れないならもっと先を急げば明日が楽になるのにな…などと思いながら焚火。火を前に植田さんは嬉しそうに1人酒を飲んでいる。焚火のおかげで濡れた服は寝る頃にはすっかり乾いて快適な夜。
昨日、随分早くに行動を終えてしまったため長時間行動になりそうだからと5:15分に歩き出し。しばらくはゴーロを歩く。振り返ると山がとても綺麗だった。そうこうしていると沢はだいぶ細くなってくると同時に、かなりのガレ場。忠実に沢を辿っていく。お互い落石に注意しながら少しいやらしい登りが続き、最後にちょっと藪を漕ぐと登山道に合流。登山道の下には木曽殿山荘が見える。 ここから、空木岳を目指す。今回のお目当てボルダーをするために。山頂で少し休憩すると駒峰ヒュツテの少し先にあるクラックボルダーが気になる山野井さんが先に下り始めた。古畑、植田も山頂ボルダーで遊んだ後、あとを追う。山野井さんは、狙っていたクラックボルダーはフレークが動くようで断念したものの隣のクラックボルダーを楽しそうに登っていた。僕達もスラブボルダーで遊ぶ。途中、数年前に山野井さんが登った駒岩、発熱トラバースを横目に下山。しかし、この池山尾根、知ってはいるが長い。帰りは3人黙々と降りると菅の台駐車場へ。


今回は出だし核心的クライミングルートのような沢登り。それでも、ここ最近色々な事があった僕には、とても充実していたし、兄のような山野井さん、なんでも馬鹿な話しができる植田さんと一緒に行けた山行は、とても楽しいひと時だった。

8日 7:15 菅の台バス停発
    8:15 入渓
   14:00 二股 幕営 釣り
9日 5:15 出発
    8:15 稜線
       空木岳山頂~ボルダリング
    14:45 菅の台バス停着


ペルーアンデス Pisco(5,752m)

ペルーアンデスへ6/19~7/17まで古畑・遠山・植田の3名で行ってきました。
遠征そのものは当初計画していたほとんどが実行することが出来ず、とても悔しく残念な結果で終わってしまいましたが、そんな中でPisco(5,752m)だけでも3名で登頂する事ができたことがせめてもの救いです。

6/19ペルーリマ入り 6/20ワラス入り 6/21順化行動 6/22買出し 6/23レスト
6/24ワラス~ピスコBC
6/25順化行動4,900mへ
6/26天気悪く停滞
6/27ピスコBC~ピスコ5,752m往復
6/28ワラス戻り~7/4
7/5ワラス~パロン湖~4,400m付近
7/6 4,800m~Caraz偵察(古畑・遠山)
7/7植田高所順応できず3名で下山~ワラス7/9まで
7/10ワラス~HatunMachay(スポーツクライミング)
7/11HatunMachay~ワラス(スポーツクライミング)
7/12ワラス~Huacrajirca&Jamancajirca(ボルダリングエリア)~ワラス
7/13ワラス~リマ
7/14リマ滞在 7/15リマ帰国(7/17帰国)

ペルーアンデスへは日本登攀クラブ会員、故・野田君から生前その魅力を聞いた時から憧れを持ち、自分にも海外遠征へ行けるかもしれないと思わせてくれたきっかけとなった場所で、その後ネパール、インドと遠征に行き今回、自分自身で計画を立て仲間募りネパールで共に初遠征へ行った遠山、海外旅行経験一番多く遠征登山は初めての植田が集まり遠征計画が具体化しました。若い頃から遠征を経験しておらず海外旅行の経験も無かったサラリーマンには海外遠征とはなかなか大変なものですが過去2度の大先輩(山野井さん)との経験から今回は落ち着いて計画・対応・日常をこなすことができました。

遠征そのものは計画通りには行きませんでした。
その大きな要因は高地順応で、改めて順化の難しさを感じるものでした。
古畑、遠山は最初のPiscoBCの時点で順化も順調でしたが、高所が初めての植田はBC到着時点から高山病の症状があり(ペースを上げすぎていたなど要因もありますが)翌日の順化行動で行った4,900mではかなり辛い状態、幸いその翌日は悪天で停滞となりBCで順化に充てるもあまり改善されなかったのかPisco登頂時はかなり酷い高山病状態。なんとか登頂することが出来ました。食糧計画・燃料計画に不備や、BCでも体調が良くならないこともあり下山し体調回復後、食糧も現場調理をやめジェットボイルだけの料理とし食担当の負担を減らして挑んだCarazでも4,800mで高山病の症状が辛く無理とのことから下山する事となりました。2度目のCarazでは苦しくとも一度は5,752mまで上がっていることや、アプローチもかなりゆっくり進んでいた事から大丈夫かな?と思っていましたが、順化は人それぞれのようで簡単ではありません・・・
帰国して思うことは登れなかったことはメンバー皆が悔しいのですが、一番悔しいのは、日本での準備不足・登攀対象の山やルートへの勉強不足の問題もあったとはいえ、順化できなかった植田だろうと。

宿に戻り、古畑・遠山だけでの登山も検討しましたが3人で来ている遠征であることから最後は3人で楽しめるフリークライミング・ボルダリングエリアに行こうとHatunMachay(標高4,300m 200ルート超 5.6~5.13b 長さ30m、マルチピッチあり)・ボルダーエリアのHuacrajirca&Jamancajirca(標高3,140m 143ルート V1~V13)へ行ってきました。ルートエリアではやはり標高4,300mもあり辛そうな植田でしたがクライミング自体は楽しめたのではないかと思います。またボルダーエリアでは古畑・遠山がV6のルートを登ることができたのが少し嬉しい思いでとなりました。

(その他)
○ワラスへは米ドルを持っていけば両替可能(1㌦=3.2ソル)
○ワラスでは1泊45ソル(3人一部屋)
○食事は1食10ソル~5ソル程度(鶏肉が美味しい)
○タクシーは高いためコレクティーボ利用(現地バス 1ソル~)
○リマへはエアロメヒコ航空(メキシコ経由 鍵壊されました)
○小さな芋は芽を取りましょう。野良犬多いので気を付けましょう。
○EPIガスは1缶25ソルが一般的
○1人当り総費用(飛行機代・宿代・食費・保険すべて)約18.9万円

記 古畑